この人Aさんは単身赴任でアパートで一人暮らしだった。
3人で家で飲もうという事で、私は家で料理を作って持って行き、キッチンを借りて料理を温め、夫はAさんが氷やら何やらを買いに行くというのでそれについて行った。
一瞬あれ?と思って思わず「どちらさまですk…(あれ、奥さん??)」と言ったら「どちら様じゃないわよ!図々しいわねっ!」といきなり突き飛ばされた。
よろめいて躓いた所にもう1回突き飛ばされ、靴を履いたままの足で蹴られた。
単身赴任の夫の家にアポなし凸したらキッチンで若い女がエプロンつけて料理中なんだからそりゃあ逆上します。
向こうからしたらかなり禁句だったかもしれないけど「違うんです違うんです!!」としか言えず、「何が違うんだって言うのよ!!」と言い返されてマウントポジションで襟掴まれて頭ガンガン振られ、痛いのと怖いのとで「違うんですー」としか言えない。
「ええ!?ああ!?」とか言いながらビシバシ殴ってくるから余計に。
やっと離して貰ったと思ったら、リビングに入っていって小さな悲鳴を上げて「こんなの何よ!」だか何だか言いながら持ち込み料理をガンガン投げ始めた。
そこら辺で夫とAさん帰宅、外からでも音が聞こえたらしく走って入ってきて座り込んでる私を見てビックリ。
夫に介抱されてる間「お前何やってんだ!」「あんたこそ何やってんのよ!ふざけないでよ!」とか聞こえてきて更になにやら破壊的な音がする。
私はなんか人事みたいにボタンがブッちぎれた服をボーっと眺めてたような気がする。
私は「こちらも悪かったです」とか言って何とか収めようとするが、Aさんは奥さんに怒ってるし、A奥さんは「大変な事を」とか言って呆然としてるしで…
まず病院に行ってちょっとだけ噛んでしまった口の中を縫ってもらった。
その日はとにかく家に帰り、後日洋服と怪我の治療代としていくらか渡された。断ろうと思ったんだけど、受け取らないことにはA夫妻も収まらないだろうと思って。
奥さんは泣きながらもう顔も上げられない状態。
夫によると、Aさんはたまに奥さんの事を愚痴ってたらしく、とにかく感情的になって、逆上したら止められないタイプで、しかも怒りのポイントが分かりにくい上、話も聞かないので参ってる、単身赴任でちょっとホッとした、などと言ってたらしい。
その転勤も、子供が居ない事もあって奥さんと一緒に来れたのに、奥さんが地元や親と離れるのがイヤだといって単身になったとか。
これがきっかけでAさんは不満が爆発、離婚話を持ち出し、何故か私達の所にA奥さんの両親が来て「離婚は止めるようにと、Aさんを説得してください」と金一封持ってきた。
Aさんにとっては離婚は今までの不満で、これはきっかけだったのにA奥さんは原因は私に暴力をふるい、それをAさんが許せなかったからだと思ってたみたい。
お金だけは絶対に受け取らず、離婚は当事者の問題ですから、と逃げきった。
結局Aさんは弁護士入れて色々と話し合い、数ヵ月後に離婚…
いつかは壊れるかもしれない夫婦でも、もしもあの時奥さんが来るのがほんの10分かそこら前後だったら、来る途中、夫とAさんにばったり会ってたら、とか考えてしまった。
そうしたらこの時離婚にはならなかったかもしれないしね。
乙
まあ、それは別れるべくして別れたんだと思うよ。そういう運命だったんだろ。
うわ…乙でした。
女の人って浮気した自分のツレじゃなく相手の女に対して
ここまでやるのかなってくらい徹底的にやるよね。不思議。
しかもこんな勘違いでやられちゃたまんないね…。
修羅場の最中に旦那たち帰ってきてよかったね。
◇修羅場◇part43
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