他の受け付け嬢や秘書達も美人揃いなのに、
彼女が隣にいるとどうしても霞んでしまう。
華やかな映画の中に居そうな美しさで、
外部の人達が彼女を見た瞬間
立ち竦んでしまってるのをよく目撃した。
人と目があったら華やかに微笑み、話しかけられたらにこやかに聞く。
聞いてるだけで仕事上の対応はしない。最低限の仕事さえしない。
知的に問題があるわけではなく、ただお姫様なだけ。
終業時間までただ座ってるだけだが、周りから人が絶えなかった。
近くで働く人達からすればたまったもんじゃないらしく、どの上司に訴えても無駄、彼女の分まで働かなきゃいけない上に、そんな嫌な目に合わせてくる美女がちやほやされてるのを間近で見続けなきゃいけないのは、今までちやほやされる側だった美人な女性達には耐えられないらしく、若くて綺麗な女性の入れ替わりが激しかった。
残った女性達はストレスからかきつい性格の人達と周りに無関心なタイプばかりに。
美女の近くで働く女性達は一切彼女に関わらずに花瓶の花のような扱いをしていた。
特に他の受け付け嬢達は露骨で、一切話しかけず、目も合わせず、一緒にご飯食べにいくとかもなかったが、美女の周りは人が絶えないのでぼっち感はなかった。
自分は離れた部署で迷惑をかけられてないせいか、目があったらにこやかに微笑みかける美女に挨拶するのが好きだった。
艶々の髪がバサバサになり、肌が浮腫んでるのに凹んでる?みたいな状態に。
瞼がどんよりと落ち窪み、キラキラしていた瞳は陰湿な目付きに、触りたくなるような美肌が不潔そうな汚肌に。あっという間に不健康な不細工に。
休み勝ちにもなった為に受け付けを外されたが、別の場所でも彼女は今まで通り一切動かなかった。
病気以前の美しい姿を知っていて、病気で変貌したことも知っているわけだから、働かない彼女を無下にできない人も最初は多かった。でも徐々に人の心は変わるわけで、体臭さえもきつくなった彼女は露骨に避けられるように。
男性達は病気の彼女に話しかけなくなった代わりに、他の受け付け嬢達をちやほやしようとしていたが軽くあしらわれていた。どうにか取り入ろうと病気の彼女の陰口(働かない話)を振ったりもしていたが、受け付け嬢達は我関せずを貫いていた。
ある日彼女が廊下で座り込んでいた。
医務室に運ぼうと近くの男性に声をかけたが「急いでるんで…」とダッシュで逃げられた。
病気以前は彼女の送り迎え権利争奪戦に参加していた一人だったのに。
化粧室帰りらしい受け付け嬢は見もせずにスルー。
何人目かの男性にようやっと手伝ってもらったが、その人も内心苛ついてるのが目に見えてわかった。
後でその人にお礼をいいにいくと
「クサッww」
「クリーニングで落ちるかな?w」
「弁償させろよw」
とスーツの上着を見せながら談笑していたため話しかけられなかった。
前に彼女をちやほやしていた連中だった。
その後すぐ彼女は退職していった。
最後に見たとき、彼女が軽く頭を下げてきた。
こちらも頭を下げ返した。
結局のところ自業自得で片付けられちゃう話だよな
今までにあった修羅場を語れ【その5】
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