新婚時代、夫婦の貯金を合わせて買ったマンションが、義実家の溜まり場だった。
毎週末、旦那が呼んだり、呼ばなくても来たりで、ウト、トメ、未婚のコトメがうちにいた。
勿論手ぶらで来る。
テレビ観ながら私を除いた全員で談笑し、私が作った料理を私が座るのも待たずに平らげ、皿は運ばず、空いた皿を「これ下げてー」と言い、「もっと何か美味しいのない?」と言った。
私も馬鹿立ったと思うのだが、まだ若くて結婚したばかりで疑問を持たず、「熱燗ちょうだい」「ビールある?」の声に応えて、せっせと運んだりしてた。
週末でクタクタに疲れるので、月曜は仕事にならなかった。金曜日が一番元気だった。
ある週末、せっせと出来た料理を運んでいて、そこにあるのは初めは覚えていたのだが、ウト達が100円ショップで買ったという写真立てやら入った袋を蹴っ飛ばしてしまった。
袋の中でガシャンと音がした。
「ごめんなさい」と私が言うと、
ウトが首を振りながら、
「○○ちゃん(私)、忙しい、って字は心を無くすと書くんだよ。慌てて心を無くしてはいけないね」と言った。トメや夫がウンウン頷いていた。
腹から何かがグワ――――ッと上がって来て、
テーブル板掴むと、「誰のせいで、心無くしてると思ってんじゃド阿呆が!!!!」とひっくり返した。
床に落ちたピザ掴んでウトの鼻と口に押し付けて、「お前のせいじゃ!!」と叫んで、へたりこんでるトメの肩を落ちてるビール瓶(小瓶)で殴って「お前もじゃあ!!」と言い、
逃げようとするコトメに「お前も今日ここで殺す!逃げるな!!」と叫んで、玄関で靴履いて逃げようとしてるコトメを引き倒して、頭からヒーター用の灯油を掛けてるところで、正気に戻った旦那に取り押さえられた。
その日で実家に戻り、両家家族で話し合った結果、慰謝料なしで離婚、マンションに私が払った金額は旦那に5年の期限で返してもらい(証書も作った)、私はマンションの所有権を手放し実家に戻る、という段取りになった。
話し合いの途中で旦那が「元に戻れないかな」と言ったが、「また殺すかもよ」と言ったら黙った。
離婚は成立したので元がつく。
キレたのは馬鹿みたいだったと思うけど、ウトの顔を焼きたてピザの表面で抑えるのは、本当に楽しい経験だったので、後悔はしてない。
【チラシより】カレンダーの裏 1□【大きめ】
http://ikura.open2ch.net/test/read.cgi/ms/1396385647/
コメント