彼祖母が「嫁」「父」「母」「舅」「姑」「女」と書いた紙を指しトンでも解釈を語りはじめた

数年前、当時付き合っていた彼氏が夏休みは教習で夏中帰省するというので、泊まりがけ（向こうでホテル泊の予定）で会いに行った。

彼氏の家にお邪魔すると、彼氏の祖母（以下彼祖母）が住んでいるという離れに通され、昼ご飯にとうな重を出された。

が、私の分は彼祖母と半分こ。

で、食べ終わったら彼祖母が「○○ちゃん（彼氏）ばあちゃんのお習字貼ってくれ」と。 

？？？となっていたら、彼氏が部屋の鴨居部分に、彼祖母が習字を書いた紙を貼りだした。 

「嫁」「父」「母」「舅」「姑」「女」とかなんか家族関係の名詞が一枚に一文字ずつ書かれていた。 

そしてどこからか取り出した竹の棒で、鴨居に貼った習字を指しては、 

「女という字は人が水鏡を見ている姿。だから女はいつも自分の行動を反省すべし」 

「父という字は乳に通じるから、父母が仲むつまじければ絶対に母乳は出る」 

「舅という字は臼に男と書くから、舅は臼のようにどんとかまえているもの」 

「嫁という字は女に家だから、女は家に入れないが家に寄り添うべし」 

「姑という字は女に古いと見せかけて、女に十の口。姑の言うことは為になるということ」 

みたいなトンでも解釈を長々と語りはじめた。 

「ばあちゃんの話、つまらんか？もうすこし聞くか？」と言いながら、話すわ話すわ。 

私の家族構成と両親の職業、兄弟の有無を根掘り葉掘り訊き（答えてしまった私もアホ）私の兄弟が鬼籍に入っていると知ると「あんたが家つぐんか？」と嫌そうにしていたが、それをネタに新興宗教の勧誘をされ、気がつくと彼氏の母まで離れに来ていたので、嫌になってその日の内に帰って別れた。

納得したというより、彼氏は東京では彼祖母の膿っぷりや宗教っぷりを隠していたから、食い下がって私に騒がれるのが嫌だったんだと思う。

彼弟が上京してきているのに「実家の年中行事があるから」と言って私に任せて帰省して、彼弟を引き取りに来た彼姉もお礼の言葉一つ言わないとか、彼女＝嫁＝下僕みたいな考え方が既に見え隠れしていた一族だった。

彼祖母の話の間、彼は私の隣で正座して黙って聞いていました。 

「うちのおばあちゃん話し好きだから」とは聞いてたけど、話し好きってレベルじゃねーぞ！