海辺の町で育ち、漁協に勤め、そこで出会った漁師の青年と恋仲に。正式に婚約はしていなかったがお互いの親も結婚を認める間柄だった。
しかしそこに、祖父の一族が割って入り、祖母をよこせと言ってきた。
祖母は3姉妹で当時まだ17,8歳(祖父は10歳ほど年上)「あの子をいかせるなら私が!」と姉がかばってくれたが、なぜか祖父一族は祖母じゃないとだめだと言う。
戦時中ということもあり、「白い米が食えるぞ!」と何度も言われたそうだ。
そんなこんなで揉めている間に、婚約者も祖父も戦争へ行くことに。婚約者を送り出す前日の夜に宴会があり、彼にお酌をしたことを祖母は忘れられないそうだ。
やがて戦争が終わったが、婚約者も祖父も生死不明。
祖父一族はそれでも、「帰ってきたらすぐ結婚できるように先にこっちに来ておけ」とうるさい。祖母父は「先に復員してきた方と結婚させよう」と妥協。
しかし、帰ってきたのは祖父だった。
泣く泣く嫁入り道具すらない状態でお嫁に行った祖母。祖母が結婚した後、婚約者も生きて戻ってきたから悲しすぎる。
続きます。
嫁ぎ先では、やったことのない農業をさせられ、家事も全て祖母が担当。祖父は9人兄弟だったため、「嫁の食べる分はない」と当然米は食べさせてもらえない。第一子が女だったため、役立たずと罵られ、産後一週間でまた働かされる。
気が付けば、まだ20そこそこなのに顔はシミとソバカスだらけ。きれいに化粧し、「女の子はきれいでいなさい」と言われていた漁協時代を思い出しては泣いていたそうだ。
祖父家の田んぼの近くには、バス停がある。
ある日農作業をしていたら、同じく農作業をしていた近所の若いお嫁さんが、停留所に来たバスに猛ダッシュで乗り込み、そのまま帰ってこなかったという出来事が起こった。
祖母もそうしたかったらしいが、自分が帰れば父に迷惑がかかってしまう。そう思うととても行動できなかったそうだ。
ここで出てくるような強烈な膿の話ではないけど、祖母は泣きながら語ってくれました。
小さい頃から「農家には嫁に行くな」と言われていた意味が、今ならすごくわかる。祖父は祖母の味方でしたが、外貨稼ぎのためほとんど家にいなかったらしい。
ちなみに、祖父母と婚約者は今では茶飲み友達です。
祖父さんが片想いしてたとか?
農家の嫁はほぼ、結納金で買ったお暇のもらえない使用人だしね。
>1~嫁、と言っとく。
でも、素敵なばあちゃんだったのね。
祖父が祖母に片思いというのはないと思います。結婚式の当日まで、お互い顔も知らなかったそうですし、祖父実家と祖母実家はかなり離れています。
なぜ祖母が狙われたのかは、恐らく姉が20過ぎ、妹が12歳だったからだと思います。どうせ貰うなら若い方を・・・と思ったのでしょう。
祖父も、たくさんの兄弟を養うための外貨稼ぎ要員で、ある意味被害者かもしれません。(稼ぎは自分のためには全く使えなかったそうです)
祖母がやっと祖父と二人きりになれた日、「手が荒れすぎて痛い」と訴えたそうです。するとしばらく経ったある日、祖父は祖母に小さな缶入りのハンドクリームをこっそり買って来たそうです。祖母は嬉しくて、未だにその缶をとってあると言ってました。
祖母の話を聞き終わった後、「結局のとこ、ばあちゃんはじいちゃんのこと好きだったの?」とストレートに聞いてみたところ、「実は、初めて顔を合わせた時、海軍上がりのたくましい男前な人だったからこの人となら結婚してもいいかって思っちゃたのよ」と言ってました。
ばあちゃん(‘A`)
結婚相手がまともないい人で良かった。
ハンドクリームのエピは貰い泣きしそうだったよ。
あの世代って独身男子が女子に比べたら200万人少なかったらしいからな
その頃の話題として結婚ちらつかせて女食いまくりと言うのが都市部に流行ったらしいし
バァちゃんは運が良い方だなもし下手に許婚状態や新婚後に男側が出征して戦死してたら
もう貰い手がなかった時代だしな
戦争が起きて欲しいなんて言う馬鹿膿家は自分が死ぬと言う事を考慮に入れてないのがなんとも言えん
戦争になったら死ぬのは女ではなく男側なのにな
お祖母さんもいいなあ。
祖母は現在83歳です。
少し耳が遠いことを除けば元気です。
祖父母の仲良しエピソードはたくさんあるのですが、スレ違いになりそうなので・・・。
読み返して気づいたのですが、>>54の「ちなみに、祖父母と婚約者は今では茶飲み友達です。」の部分、正確には祖母です。確かに祖父もそうだったのですが、祖父は7年前に他界しました。
「男だろうと女だろうと学問は大切」と、私が大学に合格することを心待ちにしていた祖父でした。ですが、私の合格を知ることなく、病気で亡くなってしまいました。
現在、長男である伯父が農業を継いでいます。ですが、従兄は継ぐ気はないらしく、自分の代で終わりだと伯父が言っていました。
米を作っても作っても赤字になる。農協には安く買い取られる。きれいな山の水とアイガモ農法にこだわってお米を作っているのに、他の米と一緒くたに混ぜられて売られてしまう。なんだかむなしくなってきた、と。
農協を脱退して個人的にお米を売りたいそうなのですが、それをすると近所から村八分にされるのだそうです。
【七五三でも】農家の暗部 part127【品定め】
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