初めての彼女に振られた。「ごめんなさい。これ以上は気持ち悪くて無理です」と。

こんなぼっちの根暗になぜ？
とは思ったものの、
初めてのことで浮かれていた。

「ごめんなさい。これ以上は気持ち悪くて無理です。」

じつは、彼女は他の生徒との賭けに負けて
罰ゲームで俺と付き合っていた。

もちろん、俺がしてきたことも全部
他の人たちに伝わっていて、
「こんな罰ゲームは酷すぎる。」
と泣いていました。

付き合っている間は手を繋ぐことしかできませんでしたが、
彼女は帰ってから何度も手を洗ったそうです。

俺もショックではあったけど、
「気付いてあげられなくてごめん。今までありがとう」
と精一杯の笑顔で答えました。

たぶん、今まで一番気持ち悪い笑顔だったと思います。

帰ってから泣いて吐いて、一週間ほど引きこもり、
この世で一番怖いのは生きた人間だと確信しました。

あれから20年近く経ち、今では誰かと一緒にいたり、
触れられることに嫌悪感を持つ立派なぼっちになりました。