私は料理が好きで、高校生の頃にきちんと習ったので、少なくともメシマズではない。
大学生になって一人暮らしを始めてからは、家で料理をするのが趣味で息抜きになった。
A子も半月に一度くらいは私の部屋に来て、ごはんを食べていた。
普段はコンビニ食だから私の料理を食べるのが楽しみだと言ってくれていた。
A子が食事に来た日も、それまで試した中で一番美味しいと思えたレシピで作って出したら、美味しいと言って食べてくれた。
その数日後、地元の友達から、A子がSNSの日記に私の悪口を書いているとメールがきた。
私もそのSNSのアカウントは持っていたけど、登録したきり全く覗いていなかった。
メールを読んで驚いてSNSを見てみたけど、つながっていたはずのA子が一覧から消えている。
それを友達に伝えたら、スクショを撮って見せてくれた。
「○○(私)には今まで何度もごちそうになってきたけど、今回のはありえない。
料理が得意なのを鼻にかけて、妙なアレンジをするようになっちゃったみたい。
鶏皮で包んだ餃子とか聞いたことない。鶏の皮って普通捨てるよね。貧乏臭い(笑)
捨てる材料のアレンジを思いついたアタシ凄い!ってかんじなのかな(笑)」という内容。
友達は他にも「もしかしたら…」と、いくつかスクショを送ってくれた。
それは全部「たまには料理をしてみたシリーズ」という題名でUPされた写メで、友達の予想どおり、私が作った料理。
いちいち「今回は彩りがイマイチだったかも」とか「味はいいけど飾り切りヘタだな(笑)」とか、自虐風コメを付けていた。
自虐風だけど、実際は私sageっていう…。
そういえば、ほぼ毎回「美味しそう!写メ撮っていい?」って言ってたっけ。
この日記を私に見られたくないから、SNSのつながりを切ったのかなと思った。
A子には「SNSの日記見たよ。せっかくつながりを切ってたのに、ごめんね覗いて」とだけ、まずメールした。
するとすぐに電話がかかってきて、開口一番が「違うの!」だったから、あー全然違わないんだなーと理解した。
色々言い訳してたけど、ふんふんと聞き流して「その日記を書いてる便利な箱で、鶏皮餃子の事を調べてみたら?もう家に来ないでね」と言って電話を切った。
その後、私はずっと鶏皮餃子を作らなかった。
他人に料理をふるまうのも滅多にしなくなった。
A子とはそれっきり。
最近旦那に「某コンビニの鶏皮餃子を食べてみたら結構美味しかった、嫁は料理得意じゃん、鶏皮餃子って作れないの?」と言われて、数年ぶりに作ってみた。
あの時A子にふるまったレシピを思い出しながら作って食卓に出したら、旦那は喜んで食べてくれて、嬉しかった。
ずーっと心のどこかに引っかかってた思い出だけど、これっきり忘れて、たまには旦那の為に鶏皮餃子を作ってあげようと思う。
A子は焼き鳥食ったことないのか。
皮だけの串だってあるというのに。
あれだよね、料理できない人ほど思い込みで凝り固まってて「ありえない」連発するね。
「料理に○○使うなんてありえない」は、たいていそれこそありえない。
あと「○○使うなんて手抜き」も。
下ごしらえから全部初めて、ガス使って、調味料も最低限のみ市販で混ぜ合わせてこそ料理!とか。
この手の発言してる人を見ると「あーこの人料理まったくやらないんだな」と思う。
うまいへたの問題じゃなくて、調理経験ゼロなんだろうと思う。
友達をやめる時 inOpen
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