彼はとある家業の跡取り息子だったが、彼自身は
「跡を継ぐとか考えてない。自分の力でやっていきたい」
と言っていた。
そして、私は
「B子(私)、君が支えてくれるなら頑張れる」
と言われていた。
だから、いずれ結婚してAを支えていこうと思っていた。
私はAからのメールでそれを知り、事後承諾のような形で別れを告げられた。
SNSには(私と違って)美人で胸の大きな奥さんとウェディングしている写真がUPされていた。
ショックだった。
私は抜け殻のようになり、友人たちに心配された。
私がAの住まいで食事を作ったり洗濯したりAの代わりに何かしてあげたりと尽くしてた(友人談)ため、Aに激怒する友人も多くいた。
SNSに凸しようと言われたけれど、そんな気にはなれなかった。
一方でAの友達はだいたいA寄りだった。
彼らに言わせれば、
「Aの女は都合のいい家政婦兼○○○」
ということだった。
これをSNSで直接目にした時は目眩がした。醜い、酷い言葉だった。
しかし、実際のところ私が思っていないだけでそうだったのだろう。
Aの奥さんに対する愚痴だった。
実はAの父親は一年ほど前に病に倒れ、手伝ってた母親も今は亡く、家業は経営危機に陥っていた。
それで支援を求めて同業で羽振りのいいところの娘と見合いさせたらしい。
Aはその娘の写真を見て乗り気になり結婚に至ったが、彼女はその経緯からかAを見下していて、だんだん結婚生活が辛くなってきたんだそうだ。
そして、「B子のことが恋しい」と書いていた。
私は迷ったが、返信をしてメールでのやり取りが始まった。
Aはすぐ私との関係を求めてきた。
私はAに、「奥さんと別れない限りお付き合いは無理です」といったことを返信した。
「わかった、妻とは別れるから」と返信があるものの、当たり前のように別れないまままた「会いたい」とメールが来る、その繰り返し。
やり取りで分かったが、Aは奥さんの手料理にケチをつけ、それ以来ご飯は外食になったようだ。
また、奥さんとの行為でも似たようなことをやらかしてレスになったとか。
どちらも私と比べて全然ダメだとか書いていた。
それが本当かどうか知らないが、本当なら奥さんが気の毒としか言えない。
途中からLINEに移ったが、内容はだんだんとエスカレートし、卑猥な言葉がふんだんに使われるようになった。Aが1人で処理した後の写真まで送られてきた。
せめてもの復讐のつもりだったが、これでは埒が明かない。
そこで、Aの父親と奥さんの両親宛てにメールやLINEのやり取りを全部暴露してやった。
それまで万が一に備えて私自身は不倫に否定的なスタンスを貫いてたから、堂々と抗議をした。
結果。
Aの父親は再度倒れ(怒りのあまりAを追いかけ、階段から転落)、寝たきりの要介護となってしまった。奥さんの両親は怒り、Aの家業は奥さんの弟さん(同業)が寄越されて全権を握られてしまった。
そして奥さんはAとの離婚を選ばなかった。
理由は知らないが元々一生結婚する気はなかったようで、両親や親戚がうるさいからAと結婚したらしい。
手料理は知らないが、行為が微妙だったのも、Aが見下されたと感じていたのも、原因はその辺にあるんじゃないだろうか。そして形だけでも夫がいれば色々と都合がいいからと、奥さんはAとの婚姻を継続した。
Aは奥さんの弟さんのもとで下働きをしつつ、なけなしの給料から奥さんへの慰謝料を天引きされ、たった1人で父親の介護をしている。
私は奥さんの両親からそれなりのお詫びを頂戴した(ついでに母親の方から愚痴を聞かされ、上記もだいたい判明した)。
その後、こんな私のことを全く知らない人と結婚した。
Aの父親には恨みはなく、悪いことをしたと思っている。
願わくば、せめて長生きをしてほしい。
奥様が語る因果応報
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