そんなわけで大学入学後はじめての正月の親戚の集まりでは、
俺(親戚の子供組では一番上)はお年玉はもらえないし
チビ連中からは請求されるしで、「切ねえww」って状態だった。
大学も忙しかったのでバイトもそんなできなかったし。
そんな時、親戚のおばさんが「はいこれ」と封筒をくれた。
表書きは「寸志」。
とニコニコ顔でくれた封筒の中には、五千円が入っていた。
そのおばさんの家のお年玉は、高校生は一万円。
後から考えてみれば、多分本来ならもらえない年齢の俺がお年玉らしきものをもらえてズルいという不満感を減らすための措置だったんだろう。
まあその時はそんな事考えることもなく、
普通にありがたい気持ちで五千円をいただいた。
で、その後、俺はさっきのおばさんの夫にあたるおじさんに話しかけられた。
俺がお年玉についてお礼をしたら、おじさんは変な顔をして
「金額はいくらだったか」と聞いてきた。
普通に答えると、おじさんは顔色を変えておばさんの方へ走り、
おばさんを殴った。
おじさんは怒鳴っていた。
「どうしてこう、お前は余計なことをするんだ!
○○君は一番年上なんだぞ!
たった五千円だって? 馬鹿にしてるのかお前は!」
で、騒然とする周りをスルーしめ俺のところに戻ってきて
財布から五万くらい(明らかに何枚も重なってる)出すおじさん。
「ごめんなあ。あいつったら気が利かなくて……」
とか言いながら笑顔。
俺はフリーズすることしかできなかった。
いや、本来ならもうそんなの受け取れない年だし、
俺だけそこまで特別扱いされたら申し訳ない。
おばさんはなにも悪くない。
みたいなことをしどろもどろになって言うことしかできなかった。
もちろんお金は受け取ってない。
というかおじさんがクリーチャーかなにかに見えた。
その騒ぎで集まりは強制お開き。
その後そのおじさん夫婦は集まりに出て来ず、しばらくして離婚。
俺と血がつながっていたのはおじさんの方だったので
それからは気まずくてずっと親戚の集まりには出れてない。
なんか、おじさんの気持ちも分からなくもない
あげるとなると大学生だとそうなっちゃうんだよね
だから、誰もあげないのよねえ…
おじさんの気持ちもわかるって518も危ないよ。
結局、「俺の顔を潰す気か」ってことだよね。
それで正月の親族が集まった席で妻を殴り飛ばしたんだよね。
ありえないよ。そっちの方がよっぽど体面墜落するのに。
それはすごい申し訳なく思ってる。
おじさんは親戚内で一番社会的地位は上だったし、
普段は素晴らしい人だったからな……。
俺のじいちゃんにすごい恩があるとかで、
昔からすごくかわいがってくれてたけど、
そういうのがなければ気軽に話しかけるのはちょっと無理なくらい。
そこん家の女の子もすごく仲が良かったが、
俺のせいで家庭が滅茶苦茶ななったんじゃないかと一度も会えてない。
その子は大学進学して就職もして
元気に暮らしてるみたいなので、そこだけは救いなんだが……。
気にする必要はないんじゃないかな。
その一件だけで離婚になったんじゃない。
その一件が最後の一押しだったのでは?
おじさんの中では親族の前で嫁を殴っても、
親族がどん引きすることはないって前提の行動だよね。
そんな人が支配してる家庭の中で、おばさんはどんな扱い受けていたのか・・・
おばさんは頃される前に逃げられてよかったんだよ。
今までにあった修羅場を語れ 5
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