A=俺の昔なじみ 親がシングルマザー
Aカノ=Aの彼女 俺とも顔なじみ
ある晩、家でまったりしてたら電話がかかってきた。Aの携帯からだった。
でも出たらAカノの声で、「助けて~、Aくんやめて、ぎゃああ、助けて~助けて~」と悲鳴あげてた。
ドア閉まってたけどドンドン叩いて、携帯かけまくったらやっと開いた。
中には顔真っ青のAと、顔面ボッコボコのAカノ。
Aカノは俺が入ったとたん、バッグ持ってだーっと走って逃げていった。
俺、呆然としながら「…なにがあった?」と聞いた。
そしたらAがぼろぼろ泣きだして
「俺、頭おかしい。病気だ。医者に行く、トシキ(←俺)ついてきてくれ」って言う。
Aが言うには「浮気ほどのことじゃない。でもAカノが他の男に優しくするのが色目を使ってるように見えて我慢できなくて喧嘩になって、言いあいしてるうちに殴ってしまった」ということだった。
俺は「いいから早くカノに謝れ。理由はどうあれ殴った時点でお前が悪い。許してもらえなくても精一杯謝れ」と言うしかなかった。
そのときまではAが女を殴るなんて信じられなかった。
Aんちは母親がシングルマザーでちゃんとAを育ててはいたものの彼氏をとっかえひっかえしては自宅に連れ込む人で彼氏の中にはAに暴力ふるうようなやつもいた。
だから一時期Aは友達んちを転々として、俺んちにもよくメシ食いに来てた。
そんなAが暴力する側になるなんて…と唖然としたがよく事情もわからないし、Aがそれほど怒るなんてよっぽどのことがあったのかも、と思っていた。
あのあとAが平謝りして、なんとかAカノに許してもらったそうだった。
さいわいカノの怪我もたいしたことなかったとかで、まあめでたしめでたしか、でももうするなよ~と思っていた。
しかしその後も俺は何度も同じようなことで呼び出されるようになる。
いつも殴られたAカノが俺に電話で助けを求め、俺が駆けつけるのパターンだった。
途中からはなぜか合鍵まで渡されてた。
俺が入っていってAを止めると、Aは毎回毎回ボロ泣き。
「ごめん、ほんとごめん 殴っちゃだめだってわかってるんだ。でもどうしても止められないんだ。俺はキチガイだ。 警察呼んでくれ、病院に閉じ込めてくれ」って泣く。
でも俺はAの過去を知ってるし、カノはAのことがやっぱり好きだしで、かわいそうでやっぱ警察は呼べなかった。
そのかわり「カウンセリング行こう、もう二度としないように頑張ろう」とかって俺とカノとで何時間も何時間もAをなぐさめてた。
おかしいよな、ボコボコに殴られてるカノが
なぜ加害者のAをなぐさめなきゃならんのかと…
でもそのときは俺もカノも感覚麻痺ってて
毎回カノ殴られる→俺にSOS→俺着く→A泣く→カノと俺とで朝まで泣くAをあやす
ってのが一連のお約束になってた。
で、いつからかは忘れたが、気がついたら俺もAに殴られるようになってた。
俺はカノと違って男だし、Aよりガタイもかなりいいんで、殴り返したら余裕で俺の方が勝てるんだけど
渦中にいたそんときは「Aはかわいそうなやつなんだから殴っちゃだめだ」と思っていた。
Aはカウンセリング通ってるし、努力してる最中なんだからって。
書き込みすぎですって言われた
で、殴ったあと必ずAが泣くんだよ。
泣きながら俺の手握って「ごめん、ごめん、俺は頭がおかしい、もう縁切ってくれ」って号泣。
そんでガキの頃、おかんの彼氏に殴られて痛かった話とか、一人でさびしかった話とかをえんえんしてくる。そうするとかわいそうになっちゃって、俺もカノも毎回許してしまっていた。
典型的なDVのハネムーン期ですありがとうございました。
でもそのときは全然気づいてなかった。
ある日、俺は飲みに行ってある女の子の相談に乗った。
当時の俺は「相談オーラ」が出てたらしく、かつての人生にないくらいあらゆるやつに相談されまくっていた。
Aと離れたらなぜかちっとも相談されなくなったんだが、まあそれは置いといて、その女の子の相談っていうのが「DV彼氏と別れたい」って相談だった。
Bが「殴ったあとしおらしくなるのはハネムーン期っていって、DVの常套手段だよ!」
「泣いてるそいつを見てかわいそう、って思っちゃうんでしょ?違う違う、客観的に見たらかわいそうなのは殴られてるきみだから!」
「殴る以外はいい人だ、って言うけど殴る時点でそいつはいいやつじゃねーよ!」ってズバズバ言う。
俺も横で「そうだそうだ」って言ってたんだが、途中で「あ、これAのことだ…」って気づいた。
そうだよなー、なんでいつも殴られてる俺がAの心配してやらなきゃならないんだろ
そもそもなんで俺Aに殴られてんだっけ?
ていうか俺Aのことに首突っ込む必要なくね?AとAカノの問題じゃね?ってぐるぐるぐるぐる考えてトイレに立ってAにメールした。
Aに「こないだ俺、おまえに殴られたけどなんで殴られたんだっけ?」って送った。
ちょっと経ったら返事が来て
「トシキが俺を怒らすからだよ、もう怒らせないでくれよ」だと。
ほろ酔いの勢いもあってAに会いに行った。
俺がいつもと違うのにAは早々に気づいたようで、残念ながらその日は殴ってこなかった。
正直言うと殴ってきたら倍返ししてやるつもりだったんだがその機会はなかった。
代わりにいつものようになんかチクチクつまらないことを言ってきた。
「俺(A)は精神不安定だから、いつどうなるかわからない。それがわからないトシキじゃないよな」
「あー、こんな日はつらかった昔のことばっか思い出すわ~」とか言ってチラチラこっち見てくる。
今思うとミサワっぽいなこいつ。
いつもならこのへんでAの機嫌とってたとこなんだが
もう完全に白けてたんで、もう一回
「なあ、こないだ俺、おまえに殴られたのなんで殴られたんだっけ?」
って面と向かって聞いてみた。
Aは「えぇ~…」って言ったっきりうつむいて答えなかった。
アホくさくなって、テーブルだけ蹴っ飛ばして帰ってきた。
「ごめん。もう二度と俺を呼ばないで。もうDVカップルに巻き込まれたくない。カノがまだAにそのまま付き合うならそれでもいいし、別れるならそれでもいい。でも俺を頼らないで」ってメールした。
カノから
「見捨てないで」
「私もAもトシキがいないとダメ」
「Aを見殺しにするの」
とパニクったメールがじゃんじゃか届いたが
「別れるなら協力する。でも呼び出しにはメールも電話も二度と応じない」
とだけ返事して、電話のみ着信拒否にした。
親が頼んだ第三者をはさんで別れたらしい。
ちなみにAがカウンセリングに通ってるってのはウソですた。
通うどころか初診すら行ってなかった。
Aが泣くたび言ってた過去話もところどころウソだった。
確かにおかんの彼氏にはチンピラみたいなのが数人いたようだが
骨折するほど殴られたとか、メシ食わせてもらえなかったとか
おかんとの行為を見てるよう強要されたとか
民生委員も怖がって近寄らなかったとか、全部ウソ。
メシは作ってもらえなかったが金の入った財布が置いてあってコンビニ弁当くらいならいつでも買えた。
民生委員はいい人で、しょっちゅう来てくれてた。
これ全部、当時Aと同じ団地で隣の部屋に住んでた同級生Cの証言。
行為の件はウソとも言い切れんが、少なくともうっすい壁なのにCは一度も声を聞いたことなかったそうだ。
Aはその後もだめんずめーかー的女とくっついては離れ、くっついては離れ~とやってたが
ある日急に仕事もやめ、誰にも言わずに雲隠れした。
周囲から借金もしてたらしいがそれも全部踏み倒し。
ほとんど夜逃げ同然で部屋には荷物もほとんど残ってたらしいが
片付けに参加した人によると、誰のものともわからない携帯が4~5台引き出しに転がってたらしい。
それ聞いたとき、なぜかちょっとぞっとした。
D:3s455X2n0
暴力だって正当化できる。
思えばAも可哀想だね。
許せることじゃないけどさ。
スパッと離れる決心できて良かった
これもDV加害者の常套句だね。
なぜか暴力を受けた方を加害者にするために話を摩り替えるんだ。
すがってくる女を含めて、うまい事切れてよかったな。
A彼女がDV受けて洗脳されるのも酷い話だが
同性であるトシキまで洗脳されるのにゾッとした
一度AをボッコボコにしてやったらAは弱者の痛みを知って改心しただろうか
…無理だろうなあ
◇修羅場◇part118
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