元嫁の兄とは親友同士の間柄だった。
現在は完全に縁を切っている。
元嫁は非常に家事能力に優れていて、顔も体も完全に俺好み。
俺自身に稼ぎがあるから元嫁には専業になってもらっていた。
よくテレビでやっている掃除や洗濯の小技を事典かというくらい知っていて、きちんと成果を出していた。
料理も、味噌や餃子の皮も手作り。豆腐も手作り。大根の葉や皮さえも美味いもんに変える。
既製品を買えば安くすむが、俺はすごく嬉しかった。稼ぎに見合った贅沢ぐらいしてもいいよな。貯金も出来ているし。
ある日、元嫁兄一家が俺の家の隣の市に引越してきた。
その日を境に元嫁兄は夕飯時になると我が家に入り浸るようになった。
元嫁兄の妻のメシがまずいんだと。
元嫁兄妹が実家で一緒に住んでいたときから元嫁のメシが美味かったことを思い出して我が家に避難しにきたらしい。
自分の妻のメシを食うより妹(元嫁)のメシを食う方が長生きできる~とヤレヤレしながら言っていた。
俺は親友がやって来ることに大喜びだったが、元嫁は違った。
元嫁は金を払え早く帰れとしつこかった。
妻のメシが不味い?知らんわ!そんなの夫婦で解決しろ!
だいたい妻にはなんと言ってここに来ている?
あんたが遅くまでここにいるから夫婦の時間がもてない!
とヒス(当時は本気でヒス思っていた)をおこしまくり・・・
元嫁兄が帰ってからも言われた。
23時過ぎてから俺と元嫁兄が散らかしたものを片付けるのは辛い。
それに子作りもしたいんだよね?寝る時間が無い。
俺は4時起床。その前に朝ごはんも作らなくちゃいけない。
元嫁兄には今後この家を跨がせないと言われた。
俺の親友に何を言うんだ!
しかもお前の血の繋がった兄貴だろ!
と叱ったら元嫁は「離婚だ」と言った。
話し合いの機会も作らず即離婚と言った。
迷いも葛藤もない。
と急激に冷めて離婚に同意。
売り言葉に買い言葉ってやつかもしれない。
元嫁兄の方も離婚。まあ当然だわな。
元嫁兄の妻のメシが不味かったかどうかは定かではない。
母がいない元嫁は実家でずっと家事を担ってきたらしいし、その味で何年も生きてきた。
もしかしたら元嫁兄は元嫁の味に比べりゃ数段味が落ちると感じていただけかもしれない。
俺は元嫁と離婚した事を後悔している。
離婚が決まって、さよならする日に「女は少しドジなくらいが可愛いぞ。メシが美味いと可愛げがない。再婚したいんだったら焦がすくらいのパフォーマンスをした方がいいかもな」と言ってしまった。
本当に自分はどうしようもないクズだわ。
改めて申し訳ない気持ちがあるように見えて根本が分かってなさそうでなんか自分の世界で悦に入ってる感じがさ
その神経がわからん!その28
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