「あれ、俺おかしいんじゃね?」
と気づいた時。
世界がガラガラと崩れると言うほどじゃないが
価値観が揺らいでヒヤリとした。
元々カウンセリングを受けたのは離婚したくないがいためで
自分を本気で直そうと思っていたわけではなかった。
暴力は悪いことだとわかっていたが
憎くて殴ったわけではないし、
運動部の監督がやる愛ある体罰のようなものであって
嫁のためを思ってやっている行為だから
暴力は悪いは悪いが離婚に至るほどのことではない
という意識があった。
ある時カウンセリングの先生相手に俺は
「今後はけして暴力はふるわない。
反省しているし今後の俺を嫁に見てもらいたい」
といつものように話していた。
先生はニコニコ聞いていたが、
俺は「あっこいつ真面目に聞いてねーな」とわかった。
笑顔で聞いているふりをして聞き流しているのを察し、
俺は真面目に話すのが馬鹿らしくなり
いつもと違ってタラタラ話すことにした。
「休みの日を潰して来るの本当はダルいんすよ」
「大げさだと思うんすよね」
先生がうなずいているだけなので段々ムカついてきて
「あんたも俺のことおかしいと思ってるんでしょ?ナメてますよね」と絡んだ。
残りの時間をフルに使って絡んだ。
先生はやはりうんうんと聞いていた。
俺は最終的に「あんたなんかワンパン一発で沈められる。怖いか?」と聞いた。
このままの台詞ではないが、こんなような意味のことを。
先生は「うん?」と言った。
うまく説明できないが、この時俺は
「あれ、自分がおかしいな。俺、いつからこんなにおかしかったっけ?」と思った。
自分が変か?と気づいたとたん冷や汗が出て来て、
自分を取り巻く世界が全部信用できなくなった。
その後すぐ離婚して、鬱になって、精神科に通うようになった。
今でも完治していない。
あの世界がグラっときた感覚が忘れられなくて今でも病んでいる。
暴力で他人を思い通りにしようとしてきた罰が当たったんだね
おめでとう
今まで生きてきて凄く衝撃的だった体験 その16
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