「言っとくけど俺、味覚がいいから料理はがんばってね。少しでもまずいものは無理して食べる必要がないというのが持論」

確かにお互い適齢期だしいろいろ話し合っておくのもいいなと思って聞いてみたら、
「毎朝愛妻弁当を持っていて、家に帰ったらあったかいご飯と優しい奥さんが待っているような家庭にしたい」

「子供には５歳ぐらいまでは母親がつきっきりで必要だ」

「嫌われたくないからたぶん子供を叱れないなー、躾は○ちゃん担当ね、俺は遊び担当」

「皿洗いと掃除は得意だからこれは俺もたまにやるよ。あ、でも結婚したら食洗機かな」 と語りだした。

すると、 
「○ちゃんのそういう現代的でしっかりしたところが好き。俺も奥さんには”いつでも自立できるわよ”ぐらいの張り合いがほしい。男が稼いで女は家事育児って時代はもう終わったよ」と。 

共働きでなのにたまに皿洗いと掃除だけして、子育てもまる投げかよ、
どんなお花畑だよと思って１冷め。

「家計は俺が握る。裁量権も俺。結局いざというときは男が外で働かなきゃいけないから。だから妻の○ちゃんはおとなしくしたがってね、大丈夫、しっかりやるから」

（家計は得意なほうでいいし、最終的な決定権は夫でいいけど、話し合いはすべきだろ・・ 

「もし将来○ちゃんや育児ノイローゼや病気になったら、俺にかまわずいつでも実家に帰っていいよ」 

「（テレビで夫を献身的に介護する妻を見て）俺もこんな最期を迎えたい。歳とってもラブラブでいようね」 

「２０年後、美魔女（当時こういう言葉はまだなかったが）になれば？今時年取っても綺麗じゃなきゃね」 

「もし子供が障害児だったら育てないことにしようね」 

「結婚しても生活感があって所帯じみた大人になるのはやめよう。俺は石田純一、○ちゃんは誰を目指したい？」などなど。 

結婚話をするまでは普通の人だったし、友達や同僚、上司からも評判はよかったと思う。 
矛盾も多いし、この人にとっての結婚ってなんなんだろう？ 
少なくとも自分には無理だ・・と思い別れた。 

最初はごねられたが「あなたは私の手にあまる。もっと器量の良い子が合うよ」と言ったら「そう、○ちゃんは不器用だよね。お互い無理をするのはよくない」と謎の台詞を吐かれたもののすんなり別れられた。 

で、これが１０年前の話。

先日、元彼の元妻が再婚したという話を友人づてに聞いた。 
結婚していたことすらしらなかったけど、２０代後半で結婚したものの、子供がアトピー持ちで関心を持たず、奥さんが仕事家事育児にフル回転している間に寂しいからと浮気をして離婚に至ったらしい。 

今は子供のアトピーも完治し、元妻は奥さんに先立たれた優しい男性と再婚して幸せみたい。 
いろいろと思い出したので、厄落としかきこ。