10歳以上年の離れた明るく可愛い嫁さんだった
結婚式は盛大だった、友人はハゲだが幸せそうに笑い泣きしてた
なんであんな若くて可愛い嫁さんが、と俺は羨ましく思いつつも祝った
その最中に俺は友人の嫁さんが黒塗りの外車に乗って
地元でおしゃれと人気のホテルに入っていくのを見た
運転席側はよく見えなかったが
友人ではなかったように見えた
なぜなら髪があったから…
人違いかとも思った
でも友人嫁が着てた服が結婚式打ち合わせで
着てたものと同じような
派手おしゃれなものだった気がしたし、
はっきりと顔も見た
数日間俺は悩んだ、
でも一人じゃ抱えきれなくなり
別の友人Bに相談することにした
と俺が言うと
そんな重すぎること俺に相談するなや!
とBは怒ったが
そこは共通の友人のこと、
どうしたらいいのか喧々諤々俺たちは語り合った
そしてひとつ結論を出した、
Aに打ち明けるしかねえ、と
そして俺たちは翌週Aの家を訪ねることにした
俺とBがAの家に行くとAと嫁は笑顔で迎えてくれた
結婚を機にそれまで真面目にしてきた貯金で建てた新居
俺はこの笑顔と幸せを壊すことになってしまうのかと心苦しくなった
Aはノロケ話をして、その隣で
恥ずかしそうに含羞む若妻
こんな幸せな光景を俺は(以下略
そして人心地ついて、
嫁が席を外したとき俺は切り出した
お前の嫁さん浮気してるんじゃね?と
一気に場が凍った、
しばらくの沈黙のあと怒り出すA
どういうことだゴラァ!!
と俺は胸ぐらを捕まれながら
Aに俺が見たものを話していく
徐々に目の光がなくなるA、
そしてついにAは泣き出した
泣きじゃくるAに同情する俺を尻目にBが冷静に切り出した
おい、バレちまったってどういうことだ?
浮気を知ってたってことか?と
尋ねるBと、よくわかってない俺にAは泣き叫ぶように答えた
『それ、ズラかぶった俺じゃあ!!』と
ハァ?俺とBは理解できず固まった
なぜこんな禿げたオッサンを好いてくれたのかわからない
で、Aは精一杯の若作りをして、
嫁が白い目で見られないようにズラもかぶり、
親から車も借りてデートをするようになったそうな
それも俺らにバレないようにわざわざ平日に有給を取って
それを俺が偶然目撃した模様
そんなことしなくても幸せなのにねえ、と笑ってる嫁さんに
独身平民の俺たちは胸ヤケして、お幸せにと言葉を残して帰った
それい以来あてつけ&やっかみを込めて
俺とBはAのことをズラ夫と呼んでいる
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