生れつきデブスだけど、肌だけは綺麗

でも「いいなあ肌が綺麗でうらやましい」って言われる度に腹が立った
だったらお前の顔面偏差値と交換してくれや！腹肉やるから胸よこせ！と思っていた
いいなあって言う子は明らかに可愛かったりおしゃれだったりする子ばっかりだからさ

だって私は肌の手入れとかしてなかったし
せいぜい化粧水塗るくらいで、下地も塗らないし、
日焼け止め塗らないし、でも白くてすべすべだったもの

でもアラサーになって肌荒れを初体験した
吹き出物が出来たり小鼻の毛穴が気になったりかゆくなったり化粧が乗らなかったり
これが肌荒れ！？とびっくりしたけど、あんまり気にしなかった
だって私の肌は綺麗でそれが当たり前だったから

それで初めてスキンケアについて勉強した
それですごい勘違いしてたってわかった
みんな真面目に肌の手入れして、それでもきれいにならなかったんだ
お金も時間も手間もいっぱいかけてたんだ

真面目なスキンケアするようになって、
どれだけクッソ面倒くさいか思い知った
こんなクソ面倒をあの美人達は若い頃から毎日やってたんだ
肌にこんなにお金と時間と努力をかけてたんだ

と、今更知ってもバチが当たったのか全然回復しなかった
手をかけすぎると悪くなる、いやちゃんと手入れしないと悪くなる、たっぷり使うのがいい、いやちょっとでいい
と正反対のこと言う情報多すぎてどれが正しいかわかんないし、どれ試しても変わらない

このまま唯一の取り柄もなくなっちゃうのかなあ、
汚いデブスって死ぬしかないじゃーねかと絶望的

会社が傾きかけて有能な人はいつの間にか辞めていって、残ってるのは私みたいな無能か気の弱い人、そしてどんどん仕事が大変になる

今後の先行きヤバくて頭痛いのに、結婚せっつく親、それに便乗する親族、マウンティング、もう周りが全部ストレスだった

どうにか転職して、不人気の支店に率先して希望して、そうなったら家もずっと遠いところに引っ越して、転職したてで忙しいからで連絡もシャットアウトして、周りの環境全部リセットできた

ら、普通に昔の肌に戻った
今までの努力は何だったんだと思うくらい、あっさり卵肌が蘇った

だから努力を向ける部分を間違えちゃいけないんだ
私は肌はきれいだけど、普通に肌が綺麗なだけ

もしこれが「肌がきれいなのも一つの才能だ」ってもっと早く気づいて、十代のうちからちゃんと手入れしてたらスーパー美肌になってカリスマ美容家になってデブスデラックスで儲けられたかもしれない

マイナスに努力を傾けたってゼロになるだけ、持ってない部分に努力しても100点にはならない
それより持ってる部分に努力するべきだった

とね、婆になってから思うわけ

だからさ、若い子に言いたい
コンプレックスに未練を持つより、持ってるプラス部分に全力投入したほうがいい
でも自分のプラスって自分にとって当たり前だからプラスに思えないんだよね

だから人の話を注意して聞こう
お世辞でもなんでもいろんな人に褒められる部分があったら、それがあなたの武器なんだよ
その武器を磨き上げるのに人生かけろ
そうしてたらよかったなーとデブス婆は思うわけよ