母は嫌気がさして父たちと食卓を共にしなくなり、姉も俺も家族と食事をとるといった習慣がなかった。
だから誰かと食事する幸せみたいなのは微塵も信じてなかった。冬、高校生の頃に塾で試験対策したあといつも利用してるコンビニに寄った。
サンドイッチ選んでレジに行ったらクラスメイトの女子が入店してくるところだった。
レジで金を払う時ふとキャラクターコラボのキャラまんが一つだけ残ってるのに気づいてそれを注文しようとした。
そしたらクラスメイトの女子が「私が欲しい!!」と後ろから主張してきた。
「早いものがちだろ」「やだやだ!私それ食べたこと無いの!」「俺もねーよ」「私今日誕生日なの!」「初耳だよ」
馴染みの店員がニヤニヤしながらやり取りを見てたので、「しかたねーな奢ってやるよ!」と。
イートインスペースで待ってたら、温かいコーヒー2つ持ってクラスメイトがやってきた。
キャラまんを渡すとコーヒーをくれた。
クラスメイトはキャラまんをてにするやいなや、真っ二つに割いた。
そして半分を俺にくれた。
「一人で食えよ」「え、食べたこと無いんでしょ?一緒に食べようよ」「いやいいよ」「えぇ?これ味が微妙らしいよ?」「なんで食おうとしたし」
受け取って食べたらたしかに味は・・・。隣ではすっごい笑顔のクラスメイトが「ホントにビミョー!」と楽しそうに言ってた。
口直しにコーヒー。冷えた体にコーヒーがしみたが、コーヒーが原因ではない暖かさがあった。
あぁ、これが誰かと一緒に食事するって楽しみなんだなと思った。
その後そのクラスメイトにパティスリーで5個入のシュークリーを買って誕生日プレゼントとして渡したら、「美味しいから一緒に食べようよ!」と2つ貰って一緒に食べた。
そのときのシュークリームは美味しかったが、その後一人で食べたシュークリームはそのときほど美味しくはなかった。
結婚した今、会社でお菓子とかもらうと必ず家に持って帰って妻にあげている。
妻は必ず二人分のお茶を準備して「一緒に食べよう」と言ってくれる。
あぁ、幸せだなぁ。
どのような修羅場へと向かうのかと恐る恐る読み進めてみれば・・・・
温かな良い話だなー。
高校の冬とシュークリームの話の幸せな世界が伝わって来るかのよう。
(ごめんなさい、自分の読解力が足りないのかと思うけど、奥さんはそのクラスメイトだった娘さん?)
夫婦揃ってずっと幸せでいてくれ。
いい話
思い出の温かみが今も奥さんとの間に受け継がれてるのがまた良いね
私も妻=キャラまんクラスメイトかどうか気になるw
そうです。大学からは別々だったけど成人式で再会してそのままお付き合い、結婚しました。高校生までの俺にとって誰かと食事をすることは自分の食べ物を奪われることであり心休まる時間ではありませんでした。
一口頂戴とかポテト一本頂戴と言われることも父や兄を彷彿とさせて嫌悪を感じていました。
その凝り固まった認識を覆してくれたのがこの出来事でした。
自腹を切ってコーヒーを買ってくれて、たった一つしかないキャラまんを半分に割って当たり前のように俺にくれる。
味は微妙でも楽しそうに食事をしている。
妻にとっては当たり前の行動が俺にはとても衝撃的で、その時に価値観がガラッとかわりました。
父や兄は食事の時目がギラギラしていて、一緒に食事をする相手に敵意を向けるので、俺の家庭の食卓は常に冷え切っていました。
義務教育中の給食も給食費未納問題で量が減らされていたのに、食べ終わった人からおかわりして良い決まりだったので、腹を満たすためにはクラス全員がライバル、いかに早く食べるかばかりで、今思えば集団での食事を楽しんでなかったなと思います。
妻は美味しいものがあると必ず家族と共有しようとします。一つしかなかったら人に譲る、もしくははんぶんこ。
妻の家は貧しい家庭で、高校卒業したら働いて家計を支えるくらい大変だったそうです。それなのに誰かと貴重な食べ物を分け合うことを当たり前にできるのは凄いことだと思います。
よく結婚はデメリットしかない、という人がいますが、俺は一緒に食事する幸せ、美味しそうに食事をする妻を見る幸せだけでお釣りが来ると感じています。
2chお約束の「そのときの同級生が今の…」が久々に見れて嬉しいわww
うちもしょっちゅう譲り合いばかりだから、思いやりがある人との暮らしが楽しいのがわかる
読んでて心温まる話をありがとう。
何を書いても構いませんので@生活板129
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